和漢コラムニキビの治し方
Contents
ニキビと毒素の深い関係とは?デトックス生活のススメ
スキンケアをがんばっていてもできてしまうニキビ・・・その原因はストレスだと思いますか?それとも睡眠不足?はたまた夜中に一袋全部食べてしまったスナック菓子でしょうか?
元の形はいろいろですが、それらの不摂生はすべて、「毒素」という形で体内に溜まっていきます。それが肌に出ると、あのゆううつなニキビや吹き出物に・・・。
清潔にしていてもなぜかニキビができてしまうあなた、もしかして体内に毒素が蓄積しているのかも?今日からできるデトックス(※)生活で、ピカピカ素肌を目指しましょう!
(※毒素を体外へ排出させること)
毒素とはいったい何者?
「毒素」というと、どこかあいまいで、非科学的なイメージがあるようです。「これが毒素です!」とはっきり目に見えて示されることが少ないせいかもしれません。東洋医学では、私たちの体のなかに蓄積されたり作用を及ぼしたりして、さまざまな悪影響を与える物質をまとめて「毒素」と呼んでいます。具体例を挙げてみましょう。
毒素とは・・・
体外から入ってくる毒素
- 病原菌やウイルス
- 適正使用量を超えた過度な医薬品
- アレルギーを起こす食べ物
- 過度な農薬や食品添加物
- 花粉や排気ガスなどの大気汚染物質
- 紫外線やタバコの煙
体内でつくられる毒素
- 悪玉菌が出す腐敗ガス
- ストレスで増える活性酸素
- 乳酸などの疲労物質 etc・・・
外にも、内にも、私たちの身の回りはまさに毒素だらけ。気をつけて生活していても、毎日少しずつ溜めこんでしまっていると考えた方がよいでしょう。
毒素によってニキビができるメカニズム
西洋医学ではニキビや吹き出物は皮膚の病気として捉えられていますが、東洋医学の世界では、ニキビは肝臓が処理しきれなかった毒素を、皮膚が処理しようとした結果であると考えます。
そのメカニズムは以下のようなもの。
まず外部から取り込んだ毒素や、体のなかでつくられた毒素は、血液に乗って肝臓に流れ込みます。肝臓が元気で、毒素の量も許容範囲内なら、ここでたいていの毒素は解毒されます。
ところが何らかの理由で肝臓の解毒機能が追いつかなくなると、血液は毒素を含んだまま体じゅうを流れることになります。
すると皮ふ細胞はけなげにも血液から毒素を取り込み、自ら炎症を起こして膿とともに毒素を排出しようとします。東洋医学ではこれを「発表解毒(はっぴょうげどく)」と呼んでいます。
つまりニキビや吹き出物は、本来人間に備わっているデトックスシステムの一部で、体から毒素を追い出そうとする正常な働き。便や尿など排泄器官による通常のデトックスでは間に合わないときに、サポート役として出動してくれているのです。
毒素を出してスッキリ!デトックス生活3つのポイント
いくら正常な働きだと言っても、お顔にニキビができるのはつらいもの。肌から毒素を排出しなくてすむように、毒素はなるべく溜め込まず、正規ルートでどんどん解毒・排出していきたいですね。
そのためにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか?デトックス上手になる、3つのコツをご紹介します。
1. 汗をかく
汗は何からできているか知っていますか?
汗の成分は血液の血漿(けっしょう)を原料につくられています。そのなかには、少量のナトリウム・カリウムなどのミネラル、アンモニアや尿素、乳酸などの老廃物(毒素)が含まれています。
それだけでなく、体外から入ってきた毒素である有害金属も含まれ、これらの排出に役立っています。特に岩盤浴や半身浴などで体の芯までじっくり温めたときに、有害金属が溶け出しやすいのだそう。
汗をかかないとこうしたシステムが働かないので、毒素を溜め込みやすくなってしまうと言えるでしょう。
特に運動習慣はない、快適な温度に保たれたオフィスで一日中座りっぱなし、お風呂ではなくシャワーで済ます・・・そんな生活をしていると、ほとんど汗をかくことなく一日が過ぎていきます。
時間があるときはひと駅歩いてみる、エレベーターではなく階段を使う、お風呂にゆっくり浸かるなど、生活にちょっとした工夫を加えてみて。汗をかくと心身がリフレッシュされ、ストレスからくるニキビにも改善が期待できるから一石二鳥です。
2. めぐりを良くする
私たちの体をめぐる血液は、1日に何度も腎臓を通過し、その度に老廃物がこしとられて尿のなかに排出されています。しかし冷え性などで血液循環が悪いと、腎臓を通過する回数が減るため、それだけ毒素を溜め込みやすくなることに。
また、筋肉が凝り固まっているとリンパの流れや血行が妨げられ、その部分に毒素が溜まりやすくなります。
つまり、体を温めたり筋肉のこりをほぐすなどして血行を良くすると、毒素が排出されやすくなるということ。食べ物に気をつけたり、ストレッチを取り入れるのがおすすめです。
・めぐりを良くする食べ物
冷え症の人はまず体を温めることが大切。ショウガや長ネギ、ニラ、にんにくなどの辛味野菜、シナモンなどのスパイス、根菜類は体を芯から温める働きがあります。
末梢の血管を拡張して、血行を良くする作用を持つビタミンEは、ひまわり油や米ぬか油、アーモンド、たらこ、かぼちゃなどに多く含まれています。
また血液をサラサラにしてくれる魚類や玉ねぎ、海草類、納豆なども、積極的に摂りたい食材です。
逆に、脂肪分や塩分、糖分を摂りすぎると、血液がドロドロに。めぐりも悪くなりますが、脂っこい食事は皮脂の過剰分泌を招くため、ニキビにも最悪です。
また、トマトや茄子などの夏野菜、白砂糖を多く使ったスイーツは体を冷やしてしまいます。冷え性の人は、ショウガなど体を温める食材と一緒に調理したり、白砂糖でなく黒糖を使うなどして工夫してみましょう。
・めぐりを良くする運動とストレッチ
血液とは別のルートで体中をめぐり、老廃物を回収してくれるリンパは、疲労などで筋肉が凝り固まっていると、スムーズに流れることができません。日頃から運動やストレッチを習慣にして、筋肉を柔らかく保つようにしましょう。
【肩をほぐして老廃物を流す腕振り運動】
肩甲骨の周りの凝り固まりやすいところをほぐし、肩こり改善にも役立つ運動です。
両足を肩幅に開いて立ち、肩の力を抜いて両手を交互に軽く振り出します。前に出す腕も、後ろに引く腕も、無理のない範囲でなるべく地面と水平になるくらいまで上げるようにします。これを1分程度続けます。
ポイントは力まず、リラックスして行なうこと。上半身のこわばりをほぐし、体がぽかぽかしてきます。頭もスッキリするので、仕事や勉強の合間に行なうのもおすすめです。
【股関節のストレッチ】
床に座り、両かかとを合わせて、両手でつま先を持ち体に引き寄せます。背筋を伸ばしてゆっくり5回呼吸します。できる人は、そのまま少しずつ前屈してみましょう。骨盤内の血行を促進して老廃物を流し、生理痛や生理不順など婦人科の不調改善にも役立つストレッチです。
3. 便秘を改善する
「便秘はニキビの大敵」とよく言います。それは腸のなかに滞留した内容物が、有害なガスなどの毒素を発生させるから。それらの毒素は腸壁を通じて体に吸収され、血流に乗って全身をめぐります。だからこそ、お肌のケアに腸内環境の改善は欠かせません。
便秘の改善には、朝一杯の白湯を飲む、野菜をしっかりとる、ヨーグルトなどの発酵食品をとる、体操やヨガを取り入れるなど、いろいろなケア方法があります。
2〜3日で出るから自分はそれほど深刻ではないと放置しているあなた。36℃前後の温かいところに3日も生ゴミを置いていたらどうなるか、想像してみてください。
腸内環境は思った以上に肌に表れるもの。自分に合った便秘対策を試していきましょう。
ニキビ対策にはデトックスが欠かせない
ニキビの原因となるアクネ菌は、誰の肌にも住んでいる常在菌。ふだんは皮脂を食べて肌を弱酸性に保ってくれる、大切な存在です。急にそれが増え過ぎて炎症を起こすのには、何かきっかけがあるはず。体をめぐるさまざまな毒素が、トリガーのひとつになっていると考えることができます。
スキンケアには人一倍気をつけているはずなのに、なぜかニキビができちゃった!――そんなときは、気づかないうちに体のなかに毒素を溜め込んでいないか振り返ってみて。
添加物の多い食事に偏りがち、ちっとも汗をかいていない、便秘気味、運動不足・・・思い当たる節がある人は、生活のなかで積極的にデトックスを意識し、改善しましょう。
体のなかがキレイなら、おのずと肌もピカピカに。毒素を溜め込まないデトックス生活で、体からニキビのもとを追い出していきましょう!
Source: ニキビ まとめ