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1:2017/08/26(土) 11:35:04.09 ID:

2017.08.26

 今年も、高校野球の祭典・甲子園大会が終わった。
 埼玉県代表の花咲徳栄(はなさきとくはる)高校が優勝した今大会最大の特徴は、ホームランの競演だった。
 これまでの大会本塁打記録は2006年の60本だったが、今年は68本の新記録が生まれた。

<金属バットと飛びすぎるボールの相乗効果>

 それにしても、なぜ今年の甲子園はこんなに長打が多いのか。

 今季の空中戦について、報道では「好投手が少ないので打高投低になっている」という解説が多いが、私は「金属バットと飛びすぎるボール」の相乗効果だと見ている。

 最近の報道では、飛ぶボールについて質問を受けた高野連は「大会前にボールの反発力などを調査したが、これまでと同じだった」と疑惑を否定したという。

 しかし私は、メーカーが4年前のプロ野球の「飛ぶボール問題」で売れ残った在庫を、高校野球界に回しているのではという疑いを捨てきれない。

 この際、高野連は高校野球の試合球を公開テストして、「飛びすぎる甲子園」の疑惑を晴らすべきだ。それが、炎天下で戦う球児たちの誇りを守ることにもなる。

<筋トレの肉体改造は野球選手に有害>

 報道によると、2年前まで甲子園常連校・横浜の監督を務めた渡辺元智氏は、ホームランの大会通算新記録について「動画サイトなどで相手チームのデータが入手しやすくなった」ことと、「スポーツジムなどが手軽に使えるようになって、選手の体格が充実した」ことを理由に挙げている。

 この話で私が注目したのは、2つめの「選手の体格が充実した」という点だ。そういえば、胸板も脚もパツンパツンになった選手が目立つ。

 選手の体格のよさは、各学校がトレーニング施設を整備したことによる筋トレ効果を証明している。

 しかし私は、かねてから野球選手の過剰筋トレと肥満に警鐘を鳴らしている。プロレスラーのような分厚い胸板や太い首は、野球選手には有害でプラスにはならないからだ。

 腹筋や背筋などの適度な強化には反対しないが、野球に必要な力は野球で鍛えればよい。打者は素振りや打ち込みで、投手は走り込みで盤石の下半身を作ればよいのだ。打撃も投球も、腕力で打ったり投げたりするものではないのである。

 ところが筋トレと食トレでパワーアップした最近の高校生は、900gもある金属バットを初球からフルスイングしている。

<先輩名選手の言動に学べ>

 甲子園で母校に勝利を呼び込むホームランは、ファンを興奮歓喜させる。 

 劇的なアーチを飛ばした選手には心から拍手を送り、大いに評価したい。

 しかし私には、金属バットと飛ぶボールと筋トレが野球本来の基本と本質を崩しているように思えてならない。

 高校を卒業して大学やプロ野球に進めば、木のバットの狭い芯に当てない限り、ホームランどころかヒットにもならないのだ。金属バットでホームランを量産した多くの高校球児が、力だけでは乗り越えられない木の壁に立ちすくむことになる。

 私は次代を担う若者たちに、王貞治や長嶋茂雄や野村克也の、ワングリップあけてバットを構える姿を見てほしい。

 そして今もメジャーで出席に立ち続けるイチローの言葉に学んでほしい。
 彼はテレビのドキュメンタリー番組で、自宅のトレーニングルームを紹介しながら言った。

「これは股関節を広げるマシンです。体が丈夫ということは、イコール『強さ』とか『大きさ』と考える人が多いと思いますが、僕はまったく逆。『丈夫』=『柔らかさ』と思っている。あと、バランスね。そう考えると、日々の体の鍛え方は逆に変わる。それによって、今の僕という選手がある」

 ここで紹介した先輩たちの姿は、過剰筋トレで肉体改造して金属バットを振り回す今の高校球児とはまったく違う。

 少年野球や高校野球の指導者は、金属バットとホームランの魔力に惑わされるな。

 そして次代の野球界を担う少年たちに、正しい野球を教えてほしい。

http://www.gentosha.jp/articles/-/8578

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Source: 筋トレちゃんねる




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